タファネル(Paul TAFFANEL 1844〜1908)

 タファネルは19世紀のフランス音楽(特にフルート音楽・室内楽)を20世紀に橋渡しした重要な音楽家です。 彼は、コンセルバトワール在学中は優秀な学生であり、卒業後は、偉大なフルーティストで、フランス著名オーケストラの指揮者で作曲家。 また、室内楽の擁護者でもあり、コンセルバトワールでもM.モイーズなどを育てました。

 そうした貢献からでしょうか、多くの曲が彼に献呈されています。たとえば、
  ・H.ビュッセール プレリュードとスケルツォ
  ・L.ガンヌ    アンダンテとスケルツォ
  ・G.エネスコ   カンタビレとプレスト
  ・P.ゴーベル   ノクターンとアレグロ・スケルツァンド
  ・A.ペリルー   バラード
  ・G.フォーレ   ファンタジー



作品

『魔弾の射手』による幻想曲
α版   


 彼の作品のなかではもっともポピュラーなものです。 印象的な序奏に、ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』からいくつかのテーマをとり、その変奏をつけたものです。ビィルティオージティと音楽性が高い次元で融合した名曲です。 有名な序曲から受けるイメージとはだいぶ違うので要注意。

 著名なレパートリーなので、CDを買ううちに自然と、立花千春・大住修二・ベネット・エイトケンなどの演奏を聴くことになりました。 で、いつも思うことですが、実演の方がはるかに「濃い」演奏だということ。 このMIDIでも「色」をつけてはいるのですが、実演ではもっと華やかな演出がなされています。

 たとえば、デボスト。全体にわたって工夫が凝らされていますが、特に最後のポロネーズ風の部分はすごい。 1拍め(の表)が、音量のうえでもテンポ・リズムのうえでも極度に強調されています。 「タンタタ・タンタン・タンタン」(3拍子)のリズムなのですが、最初のタンには符点がついてるように聞こえます。 そのため、2・3拍めは惰力で演奏される感じがしますし、踊りの雰囲気もよく出ています。 現代風にいうと、伸びやかだけれど軽やかなドリブルで鮮やかにディフェンスをかわすバスケット・ボールのシューターのイメージでしょうか。

 MIDIでも1拍めにアクセントはおいたつもりですが、テンポまでは手が回りかねました。 そこまでいじると、バランス上、全体的に調整する必要が出てきますので。




略年譜

1844年 9月16日、フランス・ボルドーに生まれる。
1860年 パリ音楽院入学。ドゥルーに師事。この年、1等賞となる。
1862年 同じく、和声楽で1等賞。
1865年 対位法とフーガで1等賞。
    音楽院管弦楽団首席フルーティストに着任。(〜1892)
1871年 パリオペラ座首席フルーティストに着任。(〜1890)
1874年 「ミニヨン幻想曲」(楽譜処女出版)。
1876年 「木管五重奏曲」「魔弾の射手による幻想曲」。
1879年 管楽室内楽協会を設立。
1888年 チャイコフスキー招待演奏会で「エフゲニー・オーネギン」のアリアを演奏。
1892年 音楽院管弦楽団首席指揮者に着任。(〜1900)
1893年 パリ音楽院教授に着任。(〜1908)
    パリオペラ座首席指揮者に着任。(〜1906)
1904年 マルセル・モイーズ、タファネルに師事。(〜1907)
1908年 11月22日、逝去。



リンク

タファネル作曲木管五重奏曲
Classical MIDI ArchivesのTAFFANEL

ムラマツ楽器の楽曲解説(三上明子氏)
 「ニヴェルのジャン」による大幻想曲
 「フランチェスカ・ダ・リミニ」による幻想曲
 アンダンテ・パストラールとスケルツェッティーノ

山田昌尚さんの フルート作品リストより タファネル




.
inserted by FC2 system