ドップラー(Franz Doppler 1821〜83)
ドップラーは、19世紀中期を代表する名フルーティストです。フルートのための室内楽曲をたくさん発表し、弟とともに、ヨーロッパ中を演奏旅行し、大きな成功をおさめました。特注のフルートを用い、兄弟で左右対称にならんで演奏したとか。
彼の曲は、高度なテクニックを要求していますが、そのなかにも豊かな音楽性がこめられた、素晴らしい曲が多いようです。とくに、ジプシー系の音楽の影響が強く見られ、リズム・装飾などに特徴的に現れ、また、即興的な味わいが捨てがたいものが多いようです。
作品
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愛の歌(歌と変奏) 作品20
ドップラーといえば、「ハンガリア田園幻想曲」があまりにも有名ですね。曲名は知らなくても、クラシック愛好家なら、きっと聞いたことがある曲です。最近では、「バラキアの歌」「カシルダ幻想曲」なども好んで演奏されています。
で、何を選ぶかで迷ったのですが、結局、手持ちの曲集にたまたま入っていたこの曲にしました。他のドップラーの曲と同様に、高度な技術と豊かな詩情が織り込まれた、佳曲だと思います。楽曲の解説として三上明子さんのもの(村松フルート販売)があります。
略年譜
・1821年 ポーランドのレンベルクに誕生。父はワルシャワのオーボエ奏者。
・1830年 フルートを習いはじめる。
・1835年 14才で、ブカレストのオーケストラの首席奏者に。
・1841年 ブタペスト劇場の首席フルート奏者に着任。
・1854年 ワイマール宮廷の首席フルート奏者に着任。
・1856年 ロンドンに在住。
・1858年 ウィーン宮廷歌劇場の首席フルート奏者に着任。
ウィーン音楽院フルート科の教授に着任。
・1883年 没。
リンク
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山田昌尚さんの
アルベルト・フランツ・ドップラー
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ムラマツ・フルートの楽曲解説
フルート独奏(三上明子氏)
・三つの小品 作品15〜17
・バラキア地方の歌 作品10
二重奏(佐野悦郎氏)
・アンダンテとロンド 作品25
・協奏曲 ニ短調
・アメリカ小二重奏曲 作品37
・ハンガリーの主題による小二重奏曲 作品36
・夢遊病の女 作品42
二重奏(弟カールとの合作。佐野悦郎氏)
・リゴレット幻想曲 作品38
・ハンガリーの主題による幻想曲 作品35
・プラハの思い出 作品24
・ヴァルス・ディ・ブラヴーラ 作品33