バーネット(John Francis BARNETT 1837−1916)
父(ジョセフ・アルフレッド)は声楽科の教授で、叔父(ジョン)は、「イギリス・オペラの父」と言われた作曲家でした。プロシア生まれの祖父は、マイヤベーヤと従兄弟の関係だということです。
幼少より、ピアノに才能を発揮し、15才のとき、シュポア指揮ニュー・フィルをバックに、メンデルスゾーンの協奏曲を演奏したそうです。ロマン派まっただなか、といった感じですね。
こうして、ピアニストとして出発したバーネットですが、のちにライプチヒでハウプトマン・リーツ・モシェレスといったロマン派を影で支えた人たちと一緒に勉強することになり、作曲や指揮も手掛けるようになります。ことに晩年では、宗教音楽の作曲家として名を馳せたとのことです。
フルートのための作品として、ほかに田園風協奏曲があるそうです。聞いてみたい……
作品
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フルートとピアノのためのグランド・ソナタ 作品41
初期ロマン派の時代(18世紀末から19世紀前半でしょうか)は、フルートのゴールデン・エイジなどと言われますが、中期になると、大作曲家たちは、フルートのための曲をあまり書かなくなりました。そのなかで、リーツのソナタとともに、このグランド・ソナタは貴重な作品です。
このグランド・ソナタは、リーツのソナタほどの構築感や芸術指向性はないようですが、その代わりより情熱的で、メロディアスで、軽妙な味が発揮された曲だと思います。
ひとりごと
フランシス・バーネットといえば、もう一人、『小公子』の作者が思い浮かびます。
でも、つづりは全然違うんですね。
グランド・ソナタはJohn Francis BARNETT。『小公子』はFrances Eliza Hodgson Burnett。(参照)
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