土壇場の

指回り

■空気フルート(!)でさらう

処方箋:バーチャル・フルートで指の稽古!

 これはスゴイ方法かも。
 楽器を持たずに練習するんです。もちろん、手・指は、あたかもフルートを構えるかのように。慣れてくれば多少崩してもよいですし、そうなると通勤・通学の交通機関のなかでも練習ができます!

 楽譜を見ながら指の運びを練習していると、簡単な部分はいいのですが、複雑なところになるともう訳が分からなくなってきます。ただ、それを乗り越えて(ここが大事)指がしっかり回るようになれば、実際に楽器を持ったときでもすらすらと行きます。

 普通、私たちは、あたりまえのことですが、音を聞きながらさらっています。そして、おかしくない音が出ていれば、運指も正しいと判断しています。ところが、空気フルート(^o^)だと、音が出ないので、すんごく大変なんですね。頼りになるのは指の感覚だけ。それだけに運指に神経が集中するわけです。

 この方法はAngyaさんに教えていただきました。ありがとうございました。


■付点のリズムでさらう!

処方箋:素早さの積み重ね!

 問題のところで、隣り合わせの音符を、付点ともとの半分の長さの音符にかえてみます。


 ポイントは、隣り合った音符間の運指を素早くスムーズに行ない、次の音符へと向うことにあります。ですから
(1)音符の長さを入れ替えてみる。
(2)複付点にしてみる。
(3)短い音符の前後を1単位としてやってみる。
のような応用も効果的だと思います。特に(3)は、できないところを集中的にやるのによさそうですね。また、(1)〜(3)は、練習を飽きないで続けるのに変化をつける、という意味で使ってよいと思います。


■イン・テンポでさらう

処方箋:フレーズの後ろの音から一つずつ増やしていく!

 たとえば、下の譜面(C.Ph.E.バッハ「ハンブルク・ソナタ」より)を例にとります。


 まず、最後のシ・ファ♯をさらいます。ただ、ここで肝心なのは、シとファ♯は、スラーでつながっていないこと。ファに入るには必ずタンギングすることになります。しかもファ♯にはスタッカートが付いているのを忘れずに。つまり、アーティキュレーションは正確に。

 シ・ファ♯を4〜6回繰り返してみます…… うまくできましたか。タンギング、しました? それでは次へ!

 今度は、一つ前のド#を加えてやはり4〜6回さらってみます。ド♯とシはスラーでつながることになりますからタンギングは不要。できれば、自分の一番綺麗な音でさらってください。ファ♯の前のタンギング、忘れないでね。

 あとは、同様に一つ前の音を加えるごとに、4〜6回さらいます。「4〜6回」というのはあくまで目安で、完全にできるようになるまで繰り返す、というのが本当です。

 はじめから全部を、ということは難しいですが、一つずつ加えていくならできますね。練習では「誰にでもできる」部分を見つけることが、近道みたいですよ。

 この練習方法は大分県在住の岩下倫之さんより、教えていただきました。ありがとうございました。

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